こんにちは!kei_tamです!
今回は、話題の本『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』を紹介します。
さっそくですが次のどれかに心当たりがある方は、この本を手に取る価値ありです!
- 「理想の仕事の価値観は、人の役に立つこと」
- 「人から好かれる秘訣は、まず人に与えることだと思う」
- 「いい人で終わってしまう自分を変えたい」
- 「優しすぎる」と言われることがある
- 「鬼滅の刃が大好き!」
それでは、内容を紹介していきます!
目次
【与える人こそ成功する時代】『GIVE&TAKE』

「人に厳しくできないし、押しも弱い。こんな自分でも人から尊敬される人間になれるのだろうか」
そんなセンシティブな悩みを抱えながら仕事している人、結構多いのではないかと思います。
何を隠そう自分もその一人です。
やっぱり人のムスっとした顔より笑顔の方が見たいし、ギクシャクした人間関係って居心地が悪くて苦手。
なのでついつい競争より優しさを選んでしまうんですよね。
でも人の上に立って仕事している人を見ていると、自分をしっかり持っていて、時には人に強く当たれるタイプの人多いように思える。
ましてや会社の取締役や社長ともなると、厳格に人を叱れる人が多いように思います。
「やっぱり自分もそういう人にも自分にも厳しい人間にならないといけないんだろうな」
でもちょっと待って、
「そうじゃないよ。むしろ他人思いの人こそ成功する時代が今来ているんだよ」
というのが本書のエッセンスです。
では究極の利他人間になれば成功できるのか?
盲目的に他人のために行動していれば成功するか?
どうやらそうではないそうです。
人には3つのタイプがある:ギバー、テイカー、マッチャー

ここからで本書のメインテーマです。
この本が画期的な点、それは人間をギバー、テイカー、マッチャーという3つのタイプに分け、どのタイプがどのように社会的に成功しているかを分析した点です。
このギバー、テイカー、マッチャーという分類は難しく聞こえるかもしれませんが、とてもシンプルです。
ギバー
「ギブ・アンド・テイクの間を相手の利益になるようにもっていき、受け取る以上に与えようとする人」
テイカー
「常に、与えるより多くを受け取ろうとする人」
マッチャー
「与えることと受け取ることのバランスをとろうとする人」
抽象的なので、実際の人物に当てはめてみるとイメージしやすいです。
まずテイカー=カルロス・ゴーン
日本にはTHEテイカーと言える人は少ないですが、彼は典型的なテイカーでしょう。
社長時代には巨額の報酬を受け取り、さらに逮捕されレバノンに逃れたあとも疑惑の真偽は別として一貫して司法制度や事件の裏側で糸を引いたとされる人物の批判を繰り返しました。
常に「自分は」から主張が始まるような物言いでしたね。
マッチャー=みなさんの大多数
一番ありふれたタイプはマッチャーです。もちろん人に何かしてあげた分だけ人から何かもらえたら嬉しいですし、逆にもらった分はしっかりお返ししなきゃと思うのが普通ですよね。
ギバー=ZOZOTOWNの元CEO前澤さん、『鬼滅の刃』の主人公 炭次郎
前澤さんは気前よくお金を配ったり、志のある人を応援したりとギバーとしての性格が見える方かと思います。
そして一番わかりやすい例が『鬼滅の刃』の主人公 竈門炭次郎(かまど たんじろう)でしょう。
この物語自体、「ギバー」としての生き方が主題といっても過言ではありません。
炭次郎が鬼と人間が争う動乱の渦の中心となり、ギバーとして振舞うことによって人の心の奥に眠っていた大切な思いを呼び起こす。
守るべきものがある人を強くし、心の傷が原因で誤った方向に落ちた人を癒し、何百年と続く争いを終わらせ平和へと導くというストーリーです。
「人に与えず欲しがってばかりいる人は、いづれ人から何ももらえなくなる。」
こうしたセリフが随所に登場し、明らかに現代の若者が無意識に抱える不安に共感を与えている。
それが本作品がヒットした要因ではないかと思います。
なので『GIVE&TAKE』を読んで面白いと思った人が次に読んで欲しい本は『鬼滅の刃』です。
逆にすでに読んだことがある人は、読み返してみると多くの気づきと発見があるはずです。
ギバーが成功から一番遠い
横道にそれてしまいましたが、面白いのは次の話。
ギバー、テイカー、マッチャーこの3つの種類のなかで最も成功から遠かったタイプはどれか。
ギバーだったそうです。
自分の時間を削って頻繁に人を助けたりするので、生産性が低く昇進する割合も少なかったそう。
販売員を対象とした調査によるとテイカーとマッチャーは年間売り上げがギバーの2.5倍だったそうです。
他の職種でも同じ傾向がみられたとのこと。
では、今度は成功を収める人に最も多いタイプはどれだったか。
なんと、これもギバーだったというのです。
人を積極的に助ける行為がめぐってその人を成功へと押し上げているのだそう。
ここで気になりますよね。
「じゃあ成功するギバーとそうでないギバーを分けるポイントとは何なの?」
これが本書の一番面白いポイントです。
他者志向でありながら、自分の利益も大切にする人が成功する
この本の構成を踏まえて見ていきましょう。
本の内容を前半と後半に分けてみます。
前半は「ギバー」と「テイカー」の違いについて。
また「テイカーをやめてギバーになるとこんな良いことが起きるよ」と数多くの例から読者を説得します。
正直、前半はあまり目新しさも参考になる情報が多くないです。
1つ目の理由は、訳者の楠木さんがまえがきで述べているように「日本人はもともとギバーが多い社会」だから。
というよりアメリカにテイカーが多い、といった方が正確かもしれません。
日本でも外資系企業=実力主義というイメージがあることからもわかる通り、西洋の社会は日本よりも競争社会なので実績や自分の利益を追求しないと成功の階段を登れない。
テイカーを生み出しやすい社会構造があるのですね。
その点日本はマッチャーとギバーが大半だと思われる。だからギバーになりやすい文化が日本にはあります。
2つ目の理由は、いくつも実際のギバータイプの人物の例が解説されるのですが、ファンドのトップだったり優秀なエンジニアだったり、つまり人に与えられるものを潤沢にもっている人の例ばかりだから。
「そもそも人にとって価値ある知識や資産を自分が持っていれば、人にもっと与えたいのに」
自分はそう思ってしまいました。
後半は成功するギバーとそうでないギバーを分けるポイントの説明がメイン。
多くの日本人にとって、この本のハイライトは間違いなく後半です。
そして成功するギバーとそうでないギバーを分けるポイントは「他社志向でありつつも、自分の利益を忘れないこと」だと著者は言います。
逆に自分も大切にしなければ「いい人」で終わってしまうのだと。
そう、ギバーとは「受け取る以上に与えようとする人」であって、自分を滅してでも人に奉公しろという意味では決してないのです。
人に尽くそうとするあまり自分を犠牲にして心身ともにすり減らしてしまうのが成功できないギバー=自己犠牲タイプのギバー
一方で人に与えることを常に意識しつつも、自分のことも大切にする。
時にマッチャーになる使い分けができる人こそが成功するギバー=他者志向タイプのギバー
そのためにどのような心掛けをして、どのように振る舞えば良いか、そういった具体的な方法まで本には書かれていますが、そこはぜひ本を手にとって読んでもらいたいところです。
プライベートにも生きる”ギバー”

この本はビジネススクールの教授が執筆した本ということもあり、基本的に仕事における活用に主眼が置かれています。
しかしギバーという生き方は、仕事以外のプライベートでも大いに使えるな、と僕は読んで思いました。
例えば学生の頃の僕はすごくネガティブ思考な学生でした。
よく人から誘われるタイプの人気者に対して嫉妬心があり、「なんでアイツはいつも人から好かれて、自分は一人ぼっちなんだろう」ってずっと思ってました。
でもある時、何気なくその人の行動を見ていてあることに気づいたんです。
「その人は誘われる以上に自分から他人に声をかけたり優しくしていたのだ」ということに。
僕は「アイツはいつも人から誘われている」という羨ましさが頭を占めていたから、それ以外の彼の姿が目に入らなくなっていたんですね。
つまり、彼は素質はギバーだった。
自分から積極的に人に話しかけて話を聞いたり、優しくしたり、いつも誰かを笑わせようとしたり
なにより、周りの人に興味を持とうとしていた。
与えるとはお金や知識や経験だけではありません。
人の承認欲求を満たす行為だって、それらと同等の、いやそれ以上の価値がある「与える行為」です。
一方自分はどうだったか?自分の殻にこもって、自分に優しくしてくれそうな人にだけ心を開いている。
それは一人ぼっちになるわけだ。
この本を読んだ今だから、そう思います。
おわりに
以上、『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の紹介でした。
自分はギバーになりたい、という人も多くは現状マッチャーとして生きているのではないかと思います。
この本をきっかけに「受け取るより多く与えようとする」ギバーとして生きるよう心がけると、きっと自分の周りに変化が生まれてきて、人間関係が改善して、より良い人生に変わっていくのではないかと思います。
それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!