こんにちは!kei_tamです!
このブログでは主に英語を学習する社会人のみなさんへ向け、英語学習に役立つ情報発信をしています。
今回は脳科学者が書いた英語勉強法の本『脳科学的に正しい英語勉強法』を紹介します。
次のような人にぜひおすすめしたい本です。
タイトルにあるように、脳科学的に最も優れた英語勉強法とはどのようなものか?を解説した本です。
それでは、中身を見ていきましょう。
目次
『脳科学的に正しい英語勉強法』レビュー
著者の加藤 俊徳氏は英語の専門家ではなく、『アタマがみるみるシャープになる!!脳の強化書』などの著書でも知られる現役の脳科学専門医。
英語の勉強法に関する本というと、英語教師であったりバイリンガルの方によるものが多い中、かなり珍しい本ですね。
この本のエッセンスは次の2つに集約できます。
- 脳番地という考え方で自分の伸ばすべき領域・苦手な領域を把握すべし
- 自分の好きな分野で英語を勉強するのがベスト
脳番地を把握すれば重点的に学習すべきポイントが分かる
「脳番地」とは加藤さんオリジナルの考え方で、脳は機能ごとに8つの領域に分けられるのだと言います。
そして「脳番地」は英語を使う際にも役に立ちます
- 思考系脳番地
話す内容や書く内容などのコンテンツを考えるとき、言葉の配列を考えるときなどに働く領域 - 感情系脳番地
喜怒哀楽などの感情表現に関わる領域。スピーキングやライティングなど発信型の英語力に関わる - 伝達系脳番地
コミュニケーションを通じて、意思疎通を行う際に働く領域 - 理解系脳番地
与えられた情報を理解し、将来に役立てる領域 - 運動系脳番地
口を動かして英語を発音するときに深く関与する領域 - 聴覚系脳番地
耳で聞いたことを脳に集積させる領域 - 視覚系脳番地
目で見たことを脳に集積させる領域 - 記憶系脳番地
目で見たことを脳に集積させる働く。英単語を覚える際に働く
特に英語はコミュニケーション言語なので、③伝達系脳番地が最も重要だそうです。
これだけ読むと「それって何も新しい発見じゃないよね?」と思うかもしれません。
でも大事なのは、これが英語力における話ではなく、日本語も含めた脳機能の全般における話だということです。
どういうことでしょう。
だれしも、得意不得意がありますよね。
コミュニケーションが得意な人もいれば、苦手な人もいる。
喋るのが得意な人もいれば、文章の方が得意な人もいます。
読むより聞く方が好きという人もいる。
そういった得手不得手の差が生まれる原因がまさにこの脳番地がどれだけ機能しているかによる違いなのだそうです。
脳のスペック自体に個人差はないのですが、
コミュニケーションが得意な人は③伝達系脳番地が開発されていて機能している。
絵画などビジュアルセンスのある人は⑦視覚系脳番地が活発に機能している、という感じです。
逆に記憶力に自信のない人は⑧記憶系脳番地が弱いのが原因、と言えますね。
少し考えてみると、語学堪能な人には女性が多いという印象がありませんか?
理由はそれはとりも直さず、女性の方が脳の構造的にコミュニケーションが得意=伝達系脳番地が発達しているからなのです。
つまり英語力と会話力には関連性があって、いくら学問的な英語がハイレベルであっても流暢に英語を話せるとは限らない。
学校教育で何年もしっかりと英語を学んだ日本人が英会話が苦手な理由もここにありそうです。
まずは得意な脳番地を使って英語を勉強するのが近道
こう説明されると「じゃあ苦手な脳番地を鍛えなきゃ!」と思うかもしれません。
しかしちょっと待ってください。
「まずは得意な脳番地を使って英語を勉強して自信をつけ、それから苦手な領域を鍛えて英語を勉強した方がいい」
というのが著者の主張です。
本の中で著者は、脳番地を高速道路にたとえます。
発達している脳番地はすでに開通している高速道路、苦手な脳番地は工事中の高速道路です。
同じ「英語を使えるようになる」という目的地に行きたいなら、すでに開通している高速道路を通った方が早くたどり着けますよね。
読書が好きな人なら、洋書を通して英語を学ぶのがベスト。
映画が好きなら、洋画や海外ドラマを通して学ぶのがベスト、というわけです。
逆に効率が悪いのは「好きじゃないけど効果が高いと言われている教材を使うこと。」
好きじゃない対象に対して、脳は積極的に働きません。
いくら効率的と言われていても、その道は高速道路ではないのです。
受験勉強の英語などはまさにその最たるものですね。
もちろん苦手な領域を無視しろというわけではありません。
これら脳番地は単独で役割を果たすだけではなく、連携して機能しますので苦手領域の開発も必要です。
例えば、
英会話における人の話を聞いて話すという行為は「聴覚系脳番地→伝達系脳番地」の順で働きます。
正しい文法で話すという行為は「思考系脳番地→伝達系脳番地」
ネイティブの発音をマネて話す時は複雑で「聴覚系脳番地→伝達系脳番地→運動系脳番地」
といった具合です。
ただ、一度目的地までの行き方を知ってしまえば、他の道を通ったとしても迷わずより早く辿り着けるというわけですね。
あなたは聴覚優位か視覚優位か
「苦手な領域」「得意な領域」と少し抽象的な話を先にしてしまいましたが、一番分かりやすくかつ重要なのが「聴覚優位か視覚優位か」という観点です。
- スポーツやゲームが好き
- ものを観察するのが好き
- 自然の中で過ごすのが好き
- 文字や数字を、映像で覚える
⇒文章を読む、ビジュアルの工夫された教材などで勉強すると良い
- 子どものころ音楽を習っていた
- 人の話を聞くのが好き
- 音楽を聞いていないと落ち着かない
- 文字や数字を口ずさんで覚える
⇒音声教材、音読などが有効
このように、自分の得意な領域から攻めると上達しやすいのだそうです。
たとえば、英単語やフレーズを覚える際にはただ黙読するだけでなく「声に出す」と「書く」をするといいと言われますよね。
でも例えば視覚系は苦手だけど聴覚系は強いという人なら、いくら効率がよくても「書く」はやめて「声に出す」トレーニングだけに絞った方がいい。
苦手な脳番地を使うことは脳にとって大きな負担になる=英語が続かない原因になってしまいます。
あなたはリスニングかリーディングどっちが好き、得意でしょうか?
好きな分野で英語を勉強する
以上から見えてくるのは、脳科学的には「まずは好きな分野で英語を勉強するのがベスト」という結論です。
具体的にいうと「させられ思考」ではなく「したい思考」で勉強すること。
自分が好きなものや興味があるものというのは、それに関連する脳の領域が発達していて「したい思考」になる。なのでその分野に関連づけて勉強すると良いです。
スポーツ、映画、洋書、Youtube、料理などなど
海外に渡って英語が必要とされる環境に飛び込むことも「したい思考」です。
「周りが英語→自分も英語使えるようにならなきゃ」となるので。
海外に渡ったスポーツ選手が英語堪能である理由も、それぞれのフィールドで必要とされる英語をとっかかりに、必要に駆られて英語を勉強するためだといえます。
おわりに
以上が大まかなこの本のエッセンスです。
具体的にそれぞれの脳番地を生かしてどんなやり方で勉強すれば良いの?という点は、ぜひ本を手にとって読んでみて欲しいです。
僕がこの本を読んでもう一つピンときたのは
「英語はあくまでツールと割り切ろう」という考え方です。
つまり、まず「英語を使って何をしたいのかを明確にすべき」ということですね。
洋楽を英語のまま聞いて理解できるようになりたいのか
海外旅行にいった時に、現地の人と英語で話したいのか
そういった目的地が定まっていないと、そもそも脳番地という考え方も英語学習には生かせません。
英語学習のテクニック的な部分というよりも、そうした英語に対する姿勢を考え直す良いきっかけを与えてくれる本でした。
それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!
「海外ドラマが英語の勉強にいいと言うけれど、それだったら英会話でよく使う表現を凝縮した本を一冊徹底的にやった方が効率的じゃない?」と思う人
「最新の科学を使えば本当に効率のよい英語勉強法も見つかっているはず」
「やる気を出しても、1ヶ月も経つと『別に英語できなくても生きていけるし、それより仕事頑張った方がいい』と思ってしまう」