こんにちは!kei_tamです!
今回は、話題の腸内細菌(=腸内フローラ)が世間的な注目浴びるきっかけになった番組『NHKスペシャル』。
その番組の内容を書籍化した『やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実』をレビューします。
「腸内フローラを整えると、いろいろ良いことがあるらしい」
TVや雑誌などで噂を聞き、そのように思っている人も多いのではないでしょうか。
その腸内細菌がもたらす驚きの効果の数々を知りたい人にはぜひ読んで欲しい一冊です。
『やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実』レビュー
本書の目次は以下の通りです。
キーワードは赤字にしました。
これらに興味があれば、読む価値ありです!
とても長い目次ですが、それだけ腸内細菌研究に関する情報が網羅されているということですね。
腸内細菌と病気の関係
腸内細菌と気分の関係
といった一面だけを切り取るのではなく、腸内細菌にまつわるありとあらゆる分野の情報が総合的にまとまっている点が本書の魅力です。
『やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実』はこんな人におすすめ
こんな人に読んで欲しい、という
ダイエットしたい人
この本の前半で一番ページ数を割いて書かれているテーマは
「肥満の原因は腸内環境にある」
ということ。
これは通説ではなくて、実際にワシントン大学教授のジェフリー・ゴードンさんが『腸内フローラが肥満の「原因」になることを科学的に証明した』というのです。
取材班が実際にゴードンさんの研究室を訪れていて、そこで見た実験の様子や本人へのインタビューが語られていて、その点「さすがNHKだなー」という内容。
さて本の中では、具体的に「腸内フローラを改善してやせ体質になる方法」についても語られています。
ある食材を食べることがカギなのですが、ネタバレになってしまうのでぜひ本を手にとってみてください…!
生活習慣病が気になる人
生活習慣病の中で最も患者数が多く、かつ失明など重大な疾患に繋がる可能性が高いのが糖尿病です。
腸内フローラを改善することは糖尿病の予防に効果があるというのです。
一つの理由としては、糖尿病を発症する大きな原因が肥満だからです。
なので先に述べた通り、腸内フローラを整えて肥満になりにくい体になることで糖尿病の予防に繋がるというわけですね。
さらにそれで終わらないのが腸内細菌のすごいところ。
研究が進めば『腸内フローラは糖尿病の治療に革命をもたらす』と言われていて、腸内細菌は糖尿病を発症してしまった患者への治療においても大きな効果が期待できるというのです。
現在の糖尿病治療は病状の進行を遅らせるものがメインで、また根本的な治療薬にはそれも副作用が伴います。
しかし腸内細菌の研究が進めば副作用を伴わない治療薬が誕生する可能性があり、その最前線にも本書では迫っています。
肌の美しさやアンチエンジングに興味がある人
肌の健康を保つ「エクオール」という物質を腸内細菌が作っており、これに肌の若返り効果があることが実験結果により明らかになったそうです。
美肌に効果のある物質として大豆イソフラボンが有名ですが、なんとそれ以上の効果が期待できるのだとか。
「エクオール」は女性ホルモンに似た構造を持っているため、肌以外にも顔のほてりや骨密度低下などの更年期障害を緩和する働きがあります。
しかし、実はこの「エクオール」を生成する腸内細菌を持っている人と持ってない人がいるのだとか。
そんな人たちへ向けたアドバイスも本書に載っています。
アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー症状に悩む人
アレルギー症状に腸内環境が関係しているのでは?ということは昔からよく知られていました。
では具体的にどの細菌がそれに関係しているのか、ということが最近の研究によって具体的に明らかになってきたというのです。
「アレルギーに効果がある」と謳うヨーグルト製品をスーパーでよく見かけますよね。
そのヨーグルトがアレルギーに効く理由がまさにこの腸内環境を整えるから、なのだそうです。
ヨーグルト以外にもこれを食べるといいよ、という情報も紹介されていますよ。
根暗な性格に悩む人
これは意外でした。
『腸内細菌が記憶力や判断力などの脳機能に影響したり、ストレスの感じ方を変えたり、正確にまで影響を与えることが、さまざまな実験で確かめられつつあります。』
しかもカナダのベルチック博士の実験による『マウスの腸内細菌を入れ替えたら、性格が変わった』という画期的な実験があり、腸内細菌が性格の形成に影響を与えていることが明らかになったそうです。
その実験は人間でなくマウスを対象としたものですが、腸内細菌を入れ替えたマウスにどのような変化が見られたか、非常に興味深いことが書かれています。
さらに実際に腸内フローラを変化させることで、うつ病などの病気を治療しようという臨床試験も始まっているそうで、「自分の性格を変えたい」という人は腸内細菌研究に関する情報をウォッチしておくと良いかもしれません。
コミュ障に悩む人
コミュニケーションは脳の問題だよね。なんで腸に関係があるの?
と思うかもしれません。しかし、
脳がストレスを感じると下痢や便秘になる
腸の調子が悪いと、不安やうつ病を引き起こす
こうした経験があったりしないでしょうか。
実は腸と脳をつなぐ直通回路があり、「迷走神経」と呼ばれる自律神経の一種で気分や感情に強い影響を及ぼしていることが明らかになってきたというのです。
脳科学ブームで話題になった幸せを作る脳内物質と呼ばれる「セロトニン」や「ドーパミン」も実は腸内細菌が作っています!
そうして心や脳のコンディションにも腸内細菌は関わっているます。
最近では自閉症に見られるコミュニケーション障害の原因物質が見つかり、それも腸内細菌が作っていたそうです。
コミュ力を上げたい人はぜひ腸内細菌に関する情報を仕入れて、食生活などを見直する改善が期待できます。
この本を読むが必要ない人
この本はNHKの番組をベース制作されているので、一般の人向けです。
すでにある程度調べて腸内細菌について一通り知識がある、という人には少し物足りないかもしれません。
また腸内フローラについてはまさに今研究が現在進行形で進み続々と新事実が明らかになってきているという状態です。
なので既に病気に掛かっていて、明確な改善方法を求める人にとっても答えを探して本を読むと、少し期待はずれかもしれません。
逆にいうと、
腸内細菌について知りたい、という入門書として本書は最適です。
この本に書いてある内容を読めばある程度腸内細菌についての知識が身につきますので、理解が深まります。
また「どういった食事が腸内細菌にとって良いのか」については深く書かれているので、食生活が乱れている自覚がある人にとっては食生活について改めるきっかけを与えてくれるかな、と思います。
おわりに
では記事のおさらいです
- ダイエットしたい人
- 生活習慣病が気になる人
- 肌の美しさやアンチエンジングに興味がある人
- アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー症状に悩む人
- 根暗な性格に悩む人
- コミュ障に悩む人
- 一般の人向け
- 既に病気に掛かっていて、明確な改善方法を求める人にとっては少し期待はずれかもしれない。
それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!
1腸内フローラしだいで〝やせ〟にも〝肥満〟にもなる?
2糖尿病は〝腸内フローラに効く薬〟で治せる?
3腸内細菌が作る物質「エクオール」は、お肌を〝若返らせる〟?
4腸内細菌には、がんを〝防ぐ菌〟と〝引き起こす菌〟、どちらもいる?
5腸内細菌が〝謎の動脈硬化〟を引き起こす?
6花粉症やアトピーなどのアレルギーを腸内細菌が防いでくれる?
7腸から細菌の毒素が〝漏れる〟と万病のもとになる?
8あなたの性格はあなたの腸内フローラが決めている?
9腸内細菌が脳に〝話しかける〟ことで、うつ症状が改善する?
10自閉症にも腸内細菌が関わっている?
・腸内フローラの大切なことを、コアラが教えてくれる?
・すべての生き物が、腸内細菌と共に生き、共に進化してきた
・私たちはどうやって腸内細菌を受け継いでいる?
・腸内フローラは5歳までに決まる?
・日本人にだけ、海藻を消化する腸内細菌が住んでいるワケ
・私たちは、どの腸内細菌を住み着かせるかチョイスしている!
・無用の長物じゃない!”盲腸“は腸内細菌のための重要な臓器
・取材班の空想ー恐竜時代まで遡り、共進化の秘密に迫る
・ひとりで生きるより、助け合う方がずっといい
・「昔ながらの生活が健康にいい」のは、腸内細菌と共進化してきたから
・長寿を目指すには”腸内細菌の遺伝子”研究が不可欠
・検便だけで、ほとんどの病気が分かるようになる!?
・病気な人と健康な人、腸内フローラはどう違う?
・大便を”移植する”衝撃の治療法「便微生物移植」
・腸内細菌のパワーを活かす最新治療・密着ドキュメント
・「善玉菌がいれば、健康な腸内フローラ」とは言えない!
・”理想の腸内フローラを持つ人”の便を移植すれば…?
・メタボも、腸の難病も、便移植で治る!?
・「便移植を自分でやろう」は危険!
・短鎖脂肪酸を作る”細菌のドリームチーム”を発見!
・腸内細菌研究の未来は日本が牽引する