次のような苦い思いを抱えていませんか?
- 大人数の飲み会が苦手。空いてる皿があったら積極的に片付けたり、興味がない話題にも楽しそうな笑顔を作ったり、会話の輪に入れてない人を気づかってあげたり。気を張りっぱなしだから疲れる
- 話している時に相手の人の機嫌や声のトーン、椅子などのちょっとしたズレなどが気になってしまう
- 「自分がこれをしたらあの人はどう思うかな」そう考えて、考えすぎて結局動けない
- 「普通はこうあるべき」というベストな状態を求めすぎる
- 自分の意見はあるけれど、言ったら相手が嫌な気持ちになるかもしれない。だったらやめておこうとなる
- 明るかったり、うるさかったり、刺激の多い場所に行くと極端に疲れてしまう
- 人と長時間一緒にいると疲れる
これらを「自分のことだ!」と思えるようであれば、そして人生が楽しいと思えていないのであれば、ぜひこの本を読んでもらいたい。
人生が前向きになるヒントがきっと見つかるはずです。
「繊細さん」の本【人生が楽になる一冊】
僕自身も、人と一緒にいると激しく疲れてしまう『繊細さん』でした。
たとえば、友達と二人でいるときであってもリラックスできないのは日常。
「何を話したらこの人は喜んでくれるかな」
「こういう時って普通なんて答えるのが正解なんだろう」
「一緒にいる価値がある人間だと思ってくれているかな」
こんなことをずっと頭の中で考えながらいるものだから、とても気疲れしてしまっていました。
そんな僕の経験からすると、「繊細さん」は特に女性の方が多いのではないかと思う。
一般的に感受性が豊かで、気疲れしてしまうタイプが多いのは女性。
(これは脳科学的に根拠がある。『話を聞かない男、地図を読めない女』を参照)
男性はどちらかというと、相手の気持ちを考えすぎる性格からコミュニケーションが苦手でコンプレックスを持っていて、自信を持てずにいるパターンが多いのではないかと思います。
いずれにせよ、著者はこれまではっきりとした名前を持っていなかった「なんとなく周りの人と自分は違うな」という漠然とした感覚を『繊細』、そうした感覚を持つ人に『繊細さん』という名前を与えることで世間一般の人が認識できるようにした。
この意味は非常に大きいのではないかと思う。
自分と同じような悩みを抱える人が世の中には大勢いる
さてそうした「繊細さん」が楽に生きられるようになる具体的なテクニックが紹介されるのが本書。
ただそのテクニックの前に、
自分と同じような悩みを抱える人が大勢いるのだと気づく
これがこの本から得られる一番大きなことではないかと思う。
自分の周囲だけを見てしまうと、自分が劣っているように思えるかもしれない。
でも世の中という大きな視点に立ってみると、自分と同じ悩みを抱える人は大勢いる。
繊細な人は目立つことを嫌うから、あまり人前に出ない。だから「見えない」のだ。
「見えない」理由はもう一つある。無意識のうちに自分が「見ようとしていない」からだ。
「カクテルパーティ効果」という現象をご存知だろうか。
どんなに騒々しいパーティ会場でも、自分の名前や自分の気になっている人の声だけはなぜか耳に入ってくるという現象のことだ。
これと同じように繊細さんは非・繊細さんと自分を比べている。「普通の人っていいな」と。
だから非・繊細さんのことばかりに注意がいってしまうのではないかと思っている。
仲間がいるとわかれば、「今のままの自分で間違ってないんだ」と思える。
自分軸で生きる
さて具体的に生きづらさを解消するテクニックについて。
この本のエッセンスのひとつが「自己中心的になれ」ということ。
『繊細さんが元気に生きるには、自分の「こうしたい」という思いを大切にし、「こんなにわがままでいいのかな」と思うぐらい積極的に自分を優先していく必要があるのです。
「えっ!!?」と思うかもしれない
でも、他人の機嫌を気にするということは、人に常に優しくいてほしいという「期待」が裏にあるのではないだろうか。
また自分の意見が言えないのは、期待が裏切られて自分を否定されたり、機嫌を悪くしてしまう可能性が怖いから。
そうやって自分から勝手に他人の気持ちを想像して萎縮してしまう結果の「繊細さん」。
でもよくよく考えてみて欲しい。
自分の言動に対する他人の反応なんて自分がコントロールできるものではないですよね。
そのコントロールできないものに対して過剰に気にしてしまう。
それって無駄にエネルギーを使っていることではないか、とこの本を読んで気づいた。
「なるほど、だから気疲れしてしまうんだな。」
相手の反応を気にしていては終わりがない。思い切って自己中心的になることで、ずっと楽になれる。
そうやって自分がハッピーな気持ちでいると、周りの反応も明るくなってくるもんなんですよね。
それに自分が不安に思う相手の悪い反応って、意外と起こらないもの。
騙されたと思って自己中心的になってみると、きっと人生変わって見えます。
物理的に感覚を研ぎ澄ます
次に、物理的に気疲れの原因をシャットアウトする方法も書かれています。
人それぞれ視覚、聴覚、触覚など敏感な感覚が異なるので、自分に合わせた方法を試してみるといいそうです。
- 眼鏡やコンタクトの度を落としてみる
- 耳栓をして寝てみる
- 肌の露出を減らしてみる
- 照明の明るさを1段階落としてみる
- 遮音カーテンなどを使って外の騒音をシャットアウトしてみる
- 遊びの予定の次の日に何もしない日を入れる
上記の他にも、「マルチタスクを乗り切るシンプルな習慣」などもとても参考になりました。
コツは「やるべきことを1つだけ選び、それを集中して終わらせること」だそうです。
いくらやらなければいけないことが溜まっていたとしても、優先順位をつけて目の前の仕事とは関係ないことを後回しにする。
一つだけ「選ぶ」というのが大切で、他はあえて切り捨てる。
たとえ複数の仕事で人が待っていたとしても、最も人が待っているものだけを選んで取り組む。
そうすることで「いつも自分だけが忙しい」状態から脱出できると言います。
おわりに
この本の帯のコメントがとても的を得ていて、
「この本を書いた人は、私としか思えない!」
「私はコレだ!コレだったんだ!!」と心の中で叫びました。
僕がこの本を読んでまず思った感想も同じでした。
共感できる『繊細さん』の悩みが盛りだくさん、しかもそれに対する解決方法も的確。
それも著者自身のHSPとしての経験と、600人のカウンセリングの経験によるもの。
改めて、現代を生きる人は一読する価値がある本だなと思います。
あなたが『繊細さん』であっても『非・繊細さん』であっても、得られる知識があります。
それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!
「生きづらさ」を感じているのはあなただけじゃない!