こんにちは!kei_tamです!
このお悩みを解決するとっておきの本『科学的な適職』を紹介します!
転職活動における一番の不安って「この選択がベストなのかな」という迷いではないでしょうか。
希望する条件、気になった会社、最終的に選んだ会社、それらの判断と責任がすべて自分によっているのですから、それは不安になりますよね。
誰かが自分にとって最高な仕事を選んでくれて、応募も推薦もしてくれてあとは入社するだけ。上手くいかなかったらその選んだ人のせいに出来る、なんてサービスがあったら最高ですが、それは存在しません。
転職サイトやエージェント、友人のアドバイスなど通じて自分で情報を集めて、失敗の責任も自分で取らないといけません。
そんな時、もし「自分の仕事に満足している人にはこういう共通点がありました!」とか「転職に失敗する原因はこれでした!」という情報があったら欲しくないですか。
しかもその情報が個人の主観や意見ではなく、「〇〇大学の調査の結果分かったこと」など客観的なデータに基いていたとしたら、、
そう!この『科学的な適職』はまさにそうした信頼のおける客観的なデータを元に「転職に失敗しない方法」を示してくれる本なのです!
理想的な職業を見つけるためのヒントと具体的な方法論がギュッと詰まった一冊。
今転職活動をしている、またはこれからしようと思っているすべての人におすすめできる良書です。
さて、具体的な紹介に入る前に、その前に一点だけ注意点をお伝えしておきたいことが。
この本において適職とは「あなたの幸福が最大化される仕事」と定義されています。
そのため「とにかく社名が通っていて人に自慢できるような一流企業で働きたいよ」とか「とにかく年収が高い仕事に就きたいんだ」という人には合わない可能性があります。
幸せが最大化される人生を歩みたい人に向けてこの本は書かれています。
目次
なぜ転職に失敗してしまうのか?『科学的な適職』
この本で語られるのは主に次の6つのポイントです。
- 仕事選びに失敗してしまう原因とは?
- 幸福度の高い仕事を探すポイントとは?
- 逆に幸福度が下げてしまう職場の共通点とは?
- 「いい職場を見つけよう」と意識しているにも関わらず失敗してしまう原因とは?
- 転職活動を成功させるために有効なテクニック
- そもそも転職すべきかどうか迷った時の判断方法
著者の鈴木祐さんはキャリアアドバイザーではなく、10万本以上におよぶ科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門家へインタビューしてきた経歴をもつ異色のサイエンスライター。
この本に書かれている内容はすべて大学や専門家による研究結果に裏付けされた主張となっている点がポイントです。
転職活動のよくある間違い
実際に僕が経験した転職活動を例にとって、NG例をみてみましょう。
リクナビとマイナビに登録してエージェントと面談。
↓
自分の就きたい仕事の条件を伝えて、候補リストを作成してもらい履歴書を用意。
↓
面接
おそらくほとんどの転職者が使うであろうオーソドックスな方法です。
この活動の進め方自体は問題ありません。
このとき、僕はWebマーケティング会社にてネット広告プランナーとして採用されて勤めることになったのですが、当時エージェントに伝えた希望条件は以下のような感じでした。
- アートや音楽などクリエイティブなことが好き。それに関わる仕事がしたい
- 給与はもちろん現状より高い方がいい
- IT系の会社は今後も間違いなく右肩上がりなはずなので、IT系の会社に入りたい
- 性格診断をやったら、コツコツ仕事を進める学者タイプだと出た。確かにコミュニケーションが得意な方ではないので、営業職より専門的な職の方がいいです
どれも自分の性格や状況を踏まえてよく考えた上で「これがベストな方向性だ」と思って伝えた条件でした。
しかし、著者にすればここに大きな落とし穴があるというのです!
- クリエイティブな仕事がしたい
⇒好きを仕事にしても幸福度は上がらない! - 現状より給与が高い会社
⇒給与と仕事の満足度の相関性は、統計的には「ほぼ無関係」と言えるレベル - IT系の会社は今後も伸びる
⇒たとえ専門家でも有望な業界など予測できない。 - 性格診断の結果
⇒性格診断によって適職が見つかる保証はどこにもない
がーん…!!
根本から否定された気分、、
「好きを仕事にすべき」は間違い – 仕事選び7つの大罪
著者は、このように転職活動の際に誰もが陥りがちな幻想を「7つの大罪」と呼び、まずこれらの思い込みを捨てるように説きます。もちろん裏付けとなるデータを添えて。
その思い込みとは次の7つ。
- 好きを仕事にする
好きを仕事にしても幸福度は上がらない - 給料の多さで選ぶ
年収400~500万以上はあまり幸福度は上がらない - 業界や業種で選ぶ
「専門家の予想精度はチンパンジーのダーツ投げと同じ」 - 仕事の楽さで選ぶ
楽な仕事は退屈であり逆に幸福度が大きく下がる。 - 性格テストで選ぶ
性格診断と適職との関係を調べた実験はほとんど失敗に終わっている - 適性にあった仕事を求める
インターンシップも前職の経験も適性判断には役に立たない
①の「好きを仕事にする」を例にとって詳しく見てみましょう。
ミシガン州立大学で、被験者を次の2つのパターンに分け、好きな仕事と幸福度に関する調査が行われたそうです。
一つは「好きな仕事をするのが幸せだ」というグループ
もう一つは「仕事は続けるうちに好きになるものだ」というグループ
結果はお察しの通り、後者の方が幸福度が高かったのだそうです。
というのも、一度社会に出た人なら分かると思いますが、仕事ってコアの業務以外の雑務が非常に多いですよね。お客さんとのすり合わせとか電話対応とか、人のマネージメントとか。
そういう雑務に直面した際、好きを仕事にしようとしていた人というのは急速にやる気を失ってしまう。
なので結果的に「今の仕事は特別好きではないけれど、そのうち慣れるはず」という意識で仕事に取り組むグループの方が幸せになれるのだそうです。
この話にはさらに続きがあって、
実は仕事に対するやる気や情熱というのは、自分が注いだリソースの量に比例するのだという実験結果が出ているとのこと。
仕事が好きだからやる気が出るのか、仕事に対してやる気が出るから好きなのか。
「ニワトリが先かタマゴが先か」問題のように思えますが、実は科学的には結論が出ている。
結論は「なんとなくここまで続けてきたから、楽しいと感じる」のだそうだ。
「情熱は何かをやっているうちに生まれてくるものだ」と
だから「好きなこと」「やりたいこと」を無闇に追求しない方がいい。
「大金をつぎ込んだパチンコ台ほど離れにくくなったり、楽器を練習するほど音楽が楽しくなったり」たしかに過去を振り返ってみると、思い当たる経験はないでしょうか。
幸福度に最も影響するのは「裁量権」- 7つの徳目
じゃあどういうポイントが幸福に繋がるの?
それを著者は「7つの徳目」と呼びます。
- 自由
裁量権があるかどうか - 達成
前に進んでいる感覚はあるか - 焦点
自分のモチベーションタイプに合っているか - 明確
なすべきことやビジョン、評価軸ははっきりしているか - 多様
作業の内容にバリエーションはあるか - 仲間
組織内に助けてくれる友人はいるか - 貢献
どれだけ世の中の役に立つか
これらの条件を満たす仕事が幸福度の高い仕事だというのです。
特に①の「自由」=裁量権、これが一番幸福度に関係する鍵なのだと言います。
つまり仕事選びで最も重要視すべきポイントということです。
裁量権とはつまりどこまで自分の好きなようにやれるか、という点です。
具体的にいうと、お店を任されたと仮定した時に、
「自分で販売プランを考えて商品を仕入れて売っていいよ」⇒楽しい
「決められた商品を仕入れて、マニュアル通りに売りなさい」⇒つまらない
ということですね。
確かにロボットのように扱われて仕事の満足度が上がるわけないですよね。しかもその上ストレスに晒されるような環境であったらもうそこに希望は見出せません。
②の「達成」=前に進んでいる感覚があるか、も重要なポイント
この「前に進んでいる感覚」とはプロジェクトの達成といった大きな単位ではなく、日々の業務におけるより小さな単位における達成だそうです。
「フィードバックがどのように得られるか」とも言い換えられます。
たとえば料理人だったら、
自分の作った料理でお客さんが喜んでくれている姿が見えた方がいい。
厨房にこもってお客さんのリアクションが見えづらいとやる気に繋がらない
といったことです。
③の「焦点」、これは少し説明が必要です。
実はさっき性格テストは役に立たないと伝えたのですが、一つだけ適職との関連性が証明された性格テストがあったのだそう。
それが「制御焦点」と呼ばれる、人を「攻撃型」と「防御型」の2つのタイプに分ける診断テスト。
「攻撃型」は目標を達成した時に得られる利益に焦点を当てるタイプ
「防御型」は目標を「責任」の一種として捉え、競争に負けないように働くタイプ
攻撃型はコンサルタントやアーティスト、テクノロジー系の職に向いている
防御型は事務員や技術者、データアナリストなどに向いている
のだそうです。
本の中には自分がどちらのタイプか、診断チェックシートが付いています。
失敗しないために大事なのは、ネガティブ要素を避けること
ポジティブ要素よりネガティブ要素の方が600%強いのだそうです。
だから、長所の多い職場よりもネガティブな要素を避ける方が幸福度を高めるためには有効。
たとえば、次のようなポイント
- ワークライフバランス
仕事と休みの区別がはっきりついているかどうか。
実は休日に仕事のことを「思い出す」だけでもストレスは激増する - 長時間労働
週41時間以上で効率が低下し始め、55時間で健康やメンタルに明らかな影響を及ぼす - ソーシャルサポートがない
セーフティネットがないと不安。たとえばフリーランスは裁量権の広さは魅力だが、継続的な仕事の保証がされていないので不安がストレスになりやすい - 長時間通勤
『長時間の通勤に耐えながら年収400万円をもらう人がいた場合、その苦痛は年収が560万円に上がらないと埋め合わせできない』
この他にも、
実際に企業などで使われている手法を用いた仕事探しの分析方法
どうしても入ってきてしまうバイアスをどうやって取り除くか方法
なども本の中には書かれています。
おわりに
改めて、本の内容のおさらいです。
- 仕事選びに失敗してしまう原因とは?
「好きを仕事に」などの幻想を抱いてしまっているから - 幸福度の高い仕事を探すポイントとは?
「与えられる裁量権」などを事前にリサーチ - 逆に幸福度が下げてしまう職場の共通点とは?
ワークライフバランスは守られているか、など - 「いい職場を見つけよう」と意識しているにも関わらず失敗してしまう原因とは?
- 転職活動を成功させるために有効なテクニック
- そもそも転職すべきかどうか迷った時の判断方法
仕事選びのバイブルとも言えるような充実した内容と強力なデータによる裏づけが魅力の1冊です。
この記事でお伝えできたのは本書のエッセンスのごく一部だけ。続きはぜひ本を取って読んでみてください!
少なくとも、知っておいて損はない情報ばかりです。
転職を考えている人にはぜひ読んでほしい一冊です。
それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!
転職に失敗しないためにはどうすればいいんだろう?