こんにちは!kei_tamです!
今回は、誰でも知っている偉人たちのあまり知られていない裏側に光を当てた本、『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』の紹介です。

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!
- 小学生くらいの子どもを持つ親
- 20代前半までの若い人
- 自分のやりたいことがある人
- ADHDの傾向がある人
『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』の感想
子どもから大人まで楽しめる
この本は主に小学生くらいの子どもを対象に書かれていますが、大人の僕が読んでも「知らなかった、タメになるなぁ」と響く内容が多く面白く読めました。
子どもがいる家族であればきっと親子そろって読んで楽しめ、かつ教育にもなるんじゃないかと思います。
また、意外だったのですが20代前半までの若い人にも役に立つ本という印象です。
というのもこの本から学べる「自分のやりたいこと」と「現実」のギャップと、それをどうやって克服するかというテーマはいつの時代も変わらないからです。
「偉人たちの失敗」から人生に役立つアイディアを引き出す
どんな人でも成功した人には、その裏に長い下積みだったり失敗があるっていうことはなんとなくわかるじゃないですか。
ただその裏側ってけっこうドロドロしていたり、大人の事情が渦巻いていたりするので、「まんが 偉人伝」みたいな子ども向けの伝記にはあまり描かれない。
じゃあ大人になってちゃんとした伝記を読むかというと、そんな機会も少ないのが実情ですよね。
でも本来、自分の人生に何か生かそうと思ったら失敗を知る方が役立つはずなんです。
失敗から学ぶことの方が多い。成功とはあくまで結果だから。
その意外と抜け落ちていた「偉人たちの失敗」にスポットを当てた、しかも子どもから大人まで読める形で。
そこがこの本の画期的な点。売れる理由も分かるなと思いました。
【余談】イチローの言葉
本を読んでいてふと思い出したのが、イチローが2013年に日米通算4000本安打という大記録を打ち立てた時に語った言葉。
こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分ではない。誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね。
2013/8/22 日本経済新聞 『イチロー4000安打 失敗と向き合い、逆境を糧に』より
あの天才イチローでさえ、成功の倍くらい悔しい思いをしてきたと語ってるんですね。
そして、誇れるのは自分が打ち立てた数字ではなく、その悔しい思いの数の方だと。
じゃあその「イチローを成長させた悔しい経験ってどんなものだったんだろう」と知りたくなりますよね。この本にイチローは出てきませんが、中に書かれているのはそうした「偉人たちを成長させたストーリー」です。
中身の質はとても高く、1か月半で3万部を突破したというヒットの理由も頷ける良書です。
本の内容を少し紹介
本の内容を少し紹介したいと思います。
この本は24人の人物のエピソードから構成されています。
最後のエピソードには、ちょっとウルっとくる仕掛けも用意されていますよ。
二宮金次郎
学校の銅像で有名な二宮金次郎は実は実業家なんですね。
僕も知らなかったのですが『現在の職業でいうとファイナンシャルプランナー』だったのだそうです。
困窮する農村を救うプロジェクト「農村復興」を任された彼が村人に指導したのは、効率の良い仕事のやり方に加え「国に払う税金を少なくする方法」だったり「結果を出した人に賞金をだす」といったモチベーションアップの方法。
ただ道徳を重んじるだけでなく、「お金を稼ぐ」という考えを真剣に追求した人だったんですね。
実際に農村を復興され、とても有能な彼だったのですが、「払う税金を少なくする」ということは当然役人の側にとっては見過ごせる話ではなく、軋轢から追い詰められた彼は村から逃げ出してしまいます。
そして逃避先の温泉地で彼が見出したこと。
善と悪。好きときらい。そんなものは、そもそもそんざいしない。世の中には、ぜったいの悪人もいないし、ぎゃくに、ぜったいの善人もいない。すべては、自分の心が作り出したものだ。自分の心が、その人を「悪」だと思ってしまえば、その気持ちは相手に伝わる。伝わってしまえば、相手も自分のことをきらいになる。それだけのことだ。
そうして村に戻った彼は、村の人たちとも役人とも分け隔てなく対することでわだかまりを解消。
スムーズに仕事を進め、600以上の村を救ったと言われています。
現代の心理学に通ずる深い洞察ですね。
本の中では、このストーリーが今のあなたにどう生かせるか、まで踏み込んで書かれています。
収入の問題と人間関係の問題、まさに現代と変わらない問題と向き合いそれを克服し結果を出したビジネスリーダーだったのです。
ココ・シャネル
有名なシャネルの創業者兼デザイナーですね。
彼女が最初に活躍したのは戦前。
彼女が発信したシンプルで動きやすさを追求したファッションが欧州で大流行し成功を収めます。それまでの女性ファッションというとコテコテの装飾過多なものだったのですが、女性の社会進出が進んだ時代の流れとマッチしたのですね。
しかし、戦争が始まるとファッションは無用のものとされてしまいます。
そして戦争が終わると今度は以前のような装飾の多いファッションが受け入れられるようになり、彼女のファッションは時代遅れの捺印を押され居場所を失います。
それでもめげずに作品を発表し続け、ついに認める人々が現れます。
それが母国フランスではなく、当時世界に先駆けて女性が自由に働く文化が根付いていたアメリカだったのです。
『自分がいっしょうけんめいに作った物や考えたことが周りの人から笑われたり、ダメだと言われる。』そんなことがあるかもしれない、でもそれはあなたが今いる場所で受け入れられないだけかもしれない。
今の自分の置かれている環境だけが世界じゃない。自分を受け入れてもらえる場所は絶対にある、そう信じて自分らしく振る舞うことが大切。
それがこのエピソードから得られる教訓として書かれています。
事実、人は環境によっていくらでも変われますよね。
大人でも悩んでいるのであれば、例えば職場を変える、住む場所を変える。付き合う人を変える。それだけでだいぶ楽になる可能性があるのではないでしょうか。
ウォルト・ディズニー
言わずと知れた長編アニメーションそして夢の国の生みの親ですね。
実はミッキーが誕生する前、ディズニーには看板キャラクターがいたのを知っていますか?
「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」という名前のウサギのキャラクターが、彼の最初の代表作だったのです。
でも今、このキャラクターを目にすることはほとんどありません。
なぜかというと、配給会社との間で彼に不利な契約を結ばれ、キャラクターに関する権利は配給会社が握り、彼は自由に作品に登場させることができなくなってしまったんですね。
当時彼はまだ若かったので、パワーバランスで完全に会社に負け、配給会社にだけ都合のいい契約を結ばされてしまった。
その失敗でもめげずに作品作りに取り組んだ結果、生まれたのがミッキー・マウスだったという話です。
このエピソードの教訓として書かれている『結局、どんな仕事でも、人の心をつかんだ人が最後に勝つ。』という言葉は響きました。
自分のしていることが上手くいくかどうかは、結局この「他人にどれだけ与えられるか」にかかっている。
「自分のため」ではなくて「他人のため」の意識でどれだけ行動できるか。
これは仕事に限らず、家庭でも、友人関係でも。
シンプルだけど、力強い言葉です。
終わりに
この本の魅力は以下の4点にまとめておきます!
- 誰でも知っている偉人たちの、知られていない影に光を当てたこと
- ただ紹介するだけでなく、自分の人生に何が生かせるかまで書かれていること
- 子どもに読みやすい文体で書かれている
- それでいて子どもから大人まで幅広い世代に響く編集の質の高さ
最後にお得な情報!
この本は読み放題サービスKindle Unlimited
の対象になっています。
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。つまりタダで読めちゃいます!
期間終了後は月額980円。いつでもキャンセルできますよ。
それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!