こんにちは、ケイタムです!
普段はとあるネット広告代理店に勤めていて、趣味でWebマーケティングに関わる情報を発信しています。
今回はリターゲティング広告の世界最大手Criteo社について企業分析してみました。
Webマーケティングに興味がある人や転職を考えている人の役に立てば幸いです。
※この記事は2020年11月時点の情報を元にした個人的な分析です
目次
Criteoって、どんな会社?
- 事業内容: ネットショッピング運営企業向け広告媒体「Criteo広告」の展開
- 売上高(全世界): $226miillion・2019年 (日本円換算で約2300億円)
- 従業員数(全世界): 2700人
- 会社所在地: 本社-フランス 東京オフィス-恵比寿
Criteo社はネットショッピング企業(=Eコマース企業)向け広告市場における世界的なリーディングカンパニーです。
会社名に聞き馴染みはないかもしれませんが、実は日本において88%のユーザーがこのCriteo広告に触れているという調査データがあるんです。

うーん、でも僕は見たことないかも、、
いやいや!きっとCriteo広告に触れたことがあるはずです!
百聞は一見にしかず、ちょっと下のリンクをクリックしてみてください↓公式HPで広告のデモが見れます。
広告イメージ
どうでしょう?
ニュースサイトやブログなどで、このような枠の中に商品が並んでいて文字が動くタイプの、目がチカチカする広告(笑)がCriteo社の展開する広告です。
「あっ!これか!そういえば見たことあるよー」という人も多いのではないでしょうか。
Criteoのプロダクト:どのような商材・サービスを扱っているか
①ネットショッピング企業向け広告
実はCriteo社の商品は、先ほどデモを見ていただいた広告フォーマットただ一つです。
枠の中に商品を並ばせる必要があるので、多数の商品を扱う「ネットショッピング企業向け」広告というわけです。なので一つの商品しか扱っていないブランドとか、無形商材を扱う企業にはあまり向きません。逆にAmazonや楽天などの企業にとってはぴったりな広告フォーマットと言えます。

たしかに文字や画像がダイナミックに動くからついついクリックしたくなるけど、そんな広告フォーマットなんてら誰でも作れそうじゃない?
Criteoはなんでスゴイの?
Criteoがリーディングカンパニーと呼ばれる理由は、広告のビジュアルよりもその裏側にあります。
技術的な詳しい説明は割愛しますが、簡単にいうと
- ビッグデータ
- AI技術力
この2つが他社を圧倒しているのです。
圧倒的な量のデータを持っていて、さらにそのビッグデータを活用し最も高いパフォーマンスを引き出す高性能なAIを保有していること。
そのおかげで、競合他社の広告プロダクトと比べ高い成果を上げることができるのです(多くの場合は広告の費用対効果において)。
特に威力を発揮するのはリターゲティング広告と呼ばれる、一度サイトに訪れたユーザーを追いかけて広告を当てる手法です。
「たった一回商品ページを見ただけなのに、それ以来ずっとその商品の広告が事あるごとに表示され続けてて、、」
なんて経験がみなさん一度はあるかと思いますが、あれです。
ECサイトのリターゲティング広告といえばCriteo、と言われるまでの地位を築いています。
このリターゲティング広告においてはあのGoogle広告よりも高い成果を上げたりする。なのでEコマース企業に重宝されて成長してきた、というわけです。
Criteoのビジネスモデル:どこから収益を得ているか
自社プロダクト「Criteo広告」を使いユーザーに広告を配信して広告主から広告費用をもらう
これはシンプルに、TVコマーシャルとかと同じですね。
ただ、Google社やFacebook社といったご存知のネット広告企業と比べて大きく違う点があります。それは「広告面を持っているわけではない」ということ。
Google社であれば検索結果画面、Facebook社であればFacebook/Instagramといったアプリ面を自社で保有しています。でもCriteoはそれを持っていません。
広告を表示させるニュースサイトやブログといった配信面は他の企業が売り出している枠を買っていて、そこに実際に表示する広告の部分だけがCriteo社のプロダクトです。
そのため配信面を貸してくれる企業に、場所代を払う必要があります。
ちょうど雑居ビルにテナントとして店を展開するようなイメージですね。
2019年の売上高を見ると総売上は約2370億円ですが、TACと呼ばれるこの場所代を差し引くと売上は約1000億円となっています。
競合:ライバルとなる会社はどこか
GoogleやFacebookなどWeb広告企業全般
Googleも同じようにネットショッピング企業向けの広告フォーマットを展開していますが、それよりもCriteo社のプロダクトの方が優れているようです。
直近の業績:経営状況はどうか

2018年以降の四半期ごとの売上推移です。
堅調ですが、2020年はコロナ禍の影響もありやや低調となっています。
課題:事業課題はどこにあるか
- 個人情報保護規制の強化
- 商品が一つしかなく、複数の事業展開している会社ではないこと
昨今の個人情報保護強化の流れを受け、ネット広告業界は今大きな壁に直面しています。ネット上のユーザー行動データの取得に規制が掛かっているのです。
Criteoの強みの1つは「ビッグデータ」でしたよね。
これが段々と使えなくなってきている。そこで大打撃を受けつつあるのです。
広告業界の巨人であることには変わりありませんが、2019年にはマイナス成長となり社長が交代するなど、ちょうど今が会社として正念場と言えるかもしれません。
戦略:課題をどうやって乗り越えようとしているか
リターゲティング広告偏重な事業ポートフォリオからの早急な脱却
リターゲティングとは一度サイトを訪れたユーザーを追いかけて広告を当てる手法です。
つまり「このユーザーはサイトを訪問した」というデータが無いとそもそも成り立たないのです。
しかしそのデータ取得に対する規制が年々強まってきているため、強みが削られてしまっています。
そのため、戦略としてリターゲティング以外のサイトを知ってもらう認知系のメニューの割合を増やすことに注力しています。
Criteoへの転職
- アカウントマネージャー(営業)
- テクニカルサポート
Criteo社ではプロダクト開発は海外で行っています。
そのため日本で募集されている職種はアカウントマネージャー(営業)とサポート部門だけのようです。
上記の職種に近い業務経験があり、GAFAに対抗しうるような技術力を持った世界的な広告企業で働きたい意欲がある方には向いているでしょう。
まとめ
- Criteoのプロダクト
ネットショッピング企業向け広告 - Criteoのビジネスモデル
「Criteo広告」を使いユーザーに広告を配信して広告主から広告費用をもらう - 競合
GoogleやFacebookなどWeb広告企業全般 - 業績
右肩上がりだが、2019年に鈍化 - 課題
①個人情報保護規制の強化
②商品が一つしかなく、複数の事業展開している会社ではないこと - 戦略
リターゲティング広告偏重な事業ポートフォリオからの早急な脱却 - 転職
①アカウントマネージャー(営業)
②テクニカルサポート