『脳のワーキングメモリを鍛える』レビュー

こんにちは!kei_tamです!

今回は、”ワーキングメモリ”という脳の機能についてスポットを当てた本『脳のワーキングメモリを鍛える』を紹介します。

さっそくですが、「ワーキングメモリ」という言葉はご存知でしょうか?

「ワーキングメモリ」とは脳における情報を処理する能力のこと。
「作業記憶」とも言われます。

ワーキングメモリは目や耳など感覚器官を通して入ってきた情報を処理し、それに対しどう反応するかを司ります。
脳の司令塔として、ある意味その人の能力を決めるのがワーキングメモリと言って差し支えないでしょう。


ワーキングメモリの機能が高いほど仕事、スポーツ、学習、依存症そして幸福のレベルが上がる。
つまり「デキる人」になるカギなのです。

逆に高学歴であったり「頭のいい」人が仕事となるとパッとしなかったりする理由も、このワーキングメモリにあるそうです。

そして「ワーキングメモリは後天的に鍛えられる!」というのがこの本の核となるテーマ。

ワーキングメモリがどのように機能しているのか?どうすれば鍛えられるのか?
脳科学的な見地からこれらが明らかになっていきます。

次に心当たりがある人には手にとる価値があります。

  • 仕事のミス多い。特に時間的な制限が厳しいタスクを任された際にミスを起こしやすい。
  • マルチタスクが苦手。
  • 細かい忘れ物が人より多い。
  • とっさに判断を迫られると緊張して自信を持った回答ができない。

『脳のワーキングメモリを鍛える』

僕がこの本を手にとったきっかけは、Webなどで情報を集めている中で「ADHDの症状は脳のワーキングメモリが小さいことが原因」と知り、なんとか治したかったからでした。

その後に精神科での診察を受け、発達障害ではないものの、健常者のレベルでもないいわゆる「発達障害グレーゾーン」であることが分かりました。

ADHDの人はワーキングメモリの容量が小さいために、物忘れが激しかったり、マルチタスクが苦手だったり、「そんなこともできないの?」というくらいの凡ミスが多かったりします。

自分もまさにその典型で、マルチタスクが極端に苦手。

こなさなければいけないタスクが重なった結果、切羽詰まってしまいパフォーマンスが低下。
一つ一つの仕事のクオリティが下がりミスを起こして周りに迷惑を掛けてしまう。
そして「自分はダメな人間だ」という思考に陥る、というループに苦しんでいました。

やらなければいけないタスクがいくつも積み重なってしまうと、フリーズしてしまうのです。

ちょうど負荷がかかり過ぎるのとPCが固まってしまうのと同様に、動けなくなってやる気がなくなってしまう。

同じようにマルチタスクが苦手な人は、もしかするとこの感覚を分かってくれるかもしれません。
ただ大多数の人からすると、「なんで止まっちゃうの?一つ一つやってけばいいだけじゃん」と思われることでしょう。

人がグズグズしていたり何が言いたいのか分からないと、イライラしてしまいますよね。
本人は悪気があってやっているのではないのですが、、、

その自他のギャップが職場での人間関係に溝を作ってしまう。
人間関係が上手くいかないと、仕事は途端に苦痛に変わります。

そうやって生きづらさを抱えている人、世の中には多くいるのではないかと思います。

前置きが長くなってしまいました。
この本にはそうした生きづらさの原因の一つはワーキングメモリであり、それは鍛えられるのだということが書かれています。

たかが「情報を処理する能力」と思われるかもしれません。
しかし、ワーキングメモリは成功や幸福とも密接に関わっているのだと言います。

たとえばワーキングメモリが弱い人は何かものごとを成し遂げようとした時に、長期的な視野が持ちづらく、短期的な満足に走りがちな傾向があります。
これもADHDの特徴の一つである「飽きっぽさ」に関連しています。

自分が本当に好きなこと以外はどれもやる気が長続きしない。
運よく自分のやりたいことを仕事に出来た場合でなければ、仕事に対する情熱も持てない。

だからコロコロやる気が変わりやすく、成功に到達するのが難しい。
成功するためには継続が不可欠ですから。

幸福に関しても同じです。

脳科学的に「幸せ」という感情を作り出す上で、ドーパミンとセロトニンという2つの化学物質が関連していることがわかっています。

この2つの化学物質もワーキングメモリが関与しているのだそうです。
感情をコントロールしたり、問題を解決したり、うつ症状と対抗するのにワーキングメモリが使われているのです。

実際に、強いワーキングメモリと楽観性の間には相関性が見られることが、実験で分かったそうです。
成功や幸福、つまり人生をより良く生きるためにはワーキングメモリに目を向けるべきだという事実が見えてきます。

ワーキングメモリは大人になってからでも鍛えられる

では、どのようにしたらワーキングメモリーを鍛えられるのか。

ここが一番知りたいポイントですよね。
ワーキングメモリを鍛える方法について、本の中ではかなり具体的に書かれています。

任天堂DSの脳トレゲームがワーキングメモリの能力向上に繋がるのか?食べ物は?運動は?アロマは?といった感じ。

面白かった情報だけピックアップしてみました。

  • 記憶の達人は、3つのテクニックを使って難しい記憶を可能にしている。
    ①コードブレイカー:法則性を見つけ、ワーキングメモリーの負担を減らす
    ②ブートストラッピング:覚えるべき対象をストーリーと紐付ける。人の顔と名前を覚えるときなどに効果を発揮する。
    ③チャンキング:対象をいくつかのチャンク(かたまり)に分けて記憶するというやり方
  • オメガ3脂肪酸はワーキングメモリの増強剤
    魚の油などに含まれる。あのDHA/EPAとしてサプリメント化されているものです。
  • 食べ物の種類だけでなく、食べる量もワーキングメモリの能力に影響を及ぼす
  • カロリー制限と断食が良い効果を及ぼす
  • カフェインは短期的なタスクには効果的
    ただし処理にワーキングメモリがかかりきりになるような重いタスクの場合、逆に負荷になっていまう
  • 煮詰まったら外に出て、自然に触れるとエネルギーが回復する

その他、スポーツを効率的に上達させる方法や、大事な試験の数週間前から当日まではこのように過ごすといい、といった方法論まで書かれています。

おわりに

以上、『脳のワーキングメモリを鍛える!』について紹介してきました。

最後に、この本を手に取る前の注意点についていくつか述べておこうかなと思います。

①実践的に悩みを解決する本ではない

内容は「ワーキングメモリについて研究が進んでいて、現在こういうことが分かっていますよ」といった内容。

脳のパフォーマンスをために役に立つテクニックも多く載っていますが、あくまで脳の回転を早めるためのテクニックで、人の悩みを解決する意図で書かれているわけではありません。

ワーキングメモリという概念を知ることで、自分の人生に新たな可能性を見つけるヒントにはなりますが、今苦しんでいる目の前の問題を解決しようという意図であるなら別の本にあたったほうが良さそうです。

科学的な読み物と捉えると良いと思います。

②ワーキングメモリはそう簡単に鍛えられるものではない

たとえば運動するとか、食生活を変えるとか、習慣に関するものがほとんどです。
とはいえ、そうなるとどうやったら習慣を変えるかという問題も別に発生してきます。

その点に関しては、自分なりに良い方法を持っておく必要があります。
そうしないと、この本を読んで行動に移し、自分を変えるまでに至るのは難しいです。

2000円以上する本なので、読んで終わりにしてしまうともったいないです。
ぜひ、「自分を変えるために習慣を変えるぞ」という意欲を持って読むべき本だと思います。

それでは、みなさんの人生が前向きになることを祈って!
See you next time!

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ケイタム
1990年2月生まれ みずがめ座 経歴:早稲田大学→音響系EC会社の海外調達部署→Web広告代理店にて広告運用 趣味:音楽、競馬、読書、カメラ、アウトドア、ラーメン屋めぐり 好きなアーティスト:スピッツ/King Gnu/サザンオールスターズ/Fishmans/きゃりーぱみゅぱみゅ/The Beatles/Jamiroquai/Two Door Cinema Club/Oasis/Friendly Fires/Foster the People/Grouplove/ワインレッドの心 好きな馬:キセキ