フォスター・ザ・ピープル『Pumped Up Kicks』歌詞に秘められたストーリーを海外記事から解説!

こんにちは!kei_tamです!

このブログでは、洋楽の曲にまつわる考察や英語学習に関する情報を発信しています。

今回取り上げるのはFoster The Peopleのヒット曲『Pumped Up Kicks』です!

「この曲は何について歌っているの?」
「この曲にまつわるストーリーを知りたい」
「好きな曲だから英語の勉強に活かしたい」

そんな疑問を、海外記事からの情報をもとに読み解いていきます!

フォスター・ザ・ピープル『Pumped Up Kicks』歌詞に秘められた意味を海外記事から解説!

【曲解説】架空の少年ロバートが、金持ちのクラスメイトに対する銃撃事件を画策する話

フロントマンのマーク・フォスターは歌詞について次のように語っています。

『これは正気を失って復讐心に駆られる少年についての曲。彼はのけ者扱いされている。今の若者の文化はどんどんと人とのつながりを失っていると感じていたんだ。それで悲劇や被害者について語るのではなくて、加害者の頭の中を描いてみたいと思った。トルーマン・カポーティの小説「コールド・ブラッド」みたいにね。僕はキャラクターについて描くのが好きなんだ。それが僕のスタイル。他の誰かの頭の中を想像して、彼らになりきってみることが本当に好きなんだ』

曲自体はダンスチューンですが、歌詞は非常に重い内容なのですね。

ブルーノ・マーズ『The Lazy Song』の記事の中でも書いたのですが、物心がついた時からスマホがあり、SNSと共に育ってきた世代の子どもたちは、大人が思っている以上に自分たちの時代とは異なる若者文化を生きています。

当然そこには良い面もありつつ、暗い面もある。
特に銃撃事件という形で大きくクローズアップされやすいアメリカ社会は日本以上に若者文化の暗い側面が引き起こす問題が深刻に受け止められているようです。

この歌詞を書いたフォスターは1984年生まれなので、20歳をすぎてようやくスマホが普及し始めた世代。
そこで、増えつつある若者のこうした暗い心理がなぜ起こるのかを考えてみたい、と興味を抱いたのがこの歌詞を書いたきっかけとのことです。

それでは、歌詞の解説です。

【歌詞の解説】Foster The People『Pumped Up Kicks 』

曲のタイトルである”pumped up kicks”とは、80年代から90年代にかけて流行したリーボック製スニーカー「Reebok Pump」のこと。
高機能なハイテクスニーカーは裕福な家庭の子どもであることを象徴しています。

今でもシリーズが販売されていました。
※靴のベロのところに付いている可愛らしいボタンが特徴です。

Aメロ

Robert’s got a quick hand
He’ll look around the room, he won’t tell you his plan
He’s got a rolled cigarette, hanging out his mouth he’s a cowboy kid

Robert少年は
“quick hand”銃を持って
“look around”教室をぐるっと見回します。
“won’t tell you his plan”計画を胸に秘めて
“he’s a cowboy kid”タバコを加えてカウボーイ気取り。

注目はここまですべて”will”、未来形で語られています。
つまりこれが彼の頭のイメージであると分かります。

Yeah found a six shooter gun
In his dad’s closet hidden oh in a box of fun things, I don’t even know what

「6連式のリボルバーを父のクローゼットの中にあった”a box of fun things”で見つけた。」
ここは過去形で語られています。

“a box of fun things”楽しいものが詰まった箱
“I don’t know what “使い方は知らない

これらの表現から彼の猟奇性が強く印象付けられる箇所です。

But he’s coming for you, yeah he’s coming for you

“he’s coming for you”やつは君のもとに向かっている。

ここで現在進行形となってサビへ入ります。
まるで映画をみているかのように頭の中と現実を行き来するスリリングがありますね。

サビ

All the other kids with the pumped up kicks
You’d better run, better run, out run my gun
All the other kids with the pumped up kicks
You’d better run, better run, faster than my bullet

高機能な高級スニーカーを履いた金持ちの子どもたちに向かって
“You’d better run”逃げた方が身のためだぞ
”out run my gun”俺の銃から逃げろ
と銃を手に追い回す内容となっています。

Bメロ

Daddy works a long day
He be coming home late, he’s coming home late
And he’s bringing me a surprise
‘Cause dinner’s in the kitchen and it’s packed in ice
I’ve waited for a long time

「父さんは会社から遅い時間まで帰ってこない」
家庭に問題があることが示唆されます。

興味深いのは次の一節

“he’s bringing me a surprise
‘Cause dinner’s in the kitchen and it’s packed in ice”

まだ家に帰っていない父に対して少年は「サプライズを持ってきてくれている」と現在進行形で語ります。
なぜなら「夕飯はパックされてキッチンで冷えているから」

きっと父がサプライズ(温かい美味しい夕飯?)を持って帰ってくることを一方的に期待しているように読み取れます。
これは愛が足りていないことを表現していると解釈できます。

Yeah the slight of my hand is now a quick pull trigger
I reason with my cigarette
And say your hair’s on fire, you must have lost your wits, yeah

「もういつでも引き金を引ける状態にある」
と、少年が本気であることが分かります。

解釈が分かれるのは次の”your hair’s on fire, you must have lost your wits”の部分。

“your hair’s on fire”は頭を撃ち抜くのだと分かりますが、
“you must have lost your wits”の”wits”が、標的とする金持ちの同級生の「頭の良さ」を表しているとも取れますし、サプライズを用意している(と少年が勝手に空想している)父の「気の利いた行為」とも取れます。

そしてまたサビに移り、曲の最後までリピートされるという曲構造になっています。

彼らは意図せず十字架を背負うことになってしまった

学校での銃撃計画というセンシティブなテーマを扱ったこの曲は、当然のことながら社会的な議論を呼びます。
この曲がヒットした2011年の前も後も、学校での銃乱射事件があとを立たないからです。

「この曲をライブのセットリストから追放するべきかどうかずっと考えている」

ある雑誌のインタビューでは、そのことについてこの曲がリリースされた2010年からずっとメンバーの間で話し合っている、という苦悩を語っています。

記憶に新しい2017年にラスベガスで発生した無差別銃撃事件をはじめ、この曲のあとも銃撃事件があるたびに良くも悪くも注目を浴び、ライブで演奏すべきか悩み続けていたそう。

このような曲が生まれたきっかけ

実はこの曲、もともとサビのパートが完成していて、その時点では「銃」を比喩に使った”confidence”=自信についての歌だったそう。
しかしセッションを重ねる中でAメロが生まれ、それに合わせて「銃撃事件を起こす少年の心理を描く」という今の歌詞のアイディアに変わっていったのだそうです。

初めから意図していたというより、曲を作っていく中で方向性が変わっていったのです。

予期せぬ大ヒット

この曲は彼らにとって初めて完成させた曲でデビューシングル。
主にCM用の短いジングルを作る仕事をしていたフォスターが、仕事の合間に作った曲でした。

バンドが認知されるきっかけとなったこの曲ですが、翌年にアルバムに収録されるまで正式リリースされたことはありませんでした。

ではなぜ人々がこの曲をアルバムのリリースより先に知っていたかというと、
サイト上にアップした曲がダンロードされ、噂になり、ラジオで流されるようになり、といったWebを介してユーザーの「口コミ」で広がった曲だったのです。

そしてこの曲がメイントラックとして収録された2011年のデビューアルバム『Torches』は全米チャート3位を記録する大ヒット。
彼らが意図的に仕掛けた以上に、自分たちの想像を超えて曲が広まってしまった、という経緯があります。

彼らの代表曲であると同時に彼らを悩ませる、複雑な性格をもつ曲となってしまったのです。

【辞書不要】『Pumped Up Kicks』の歌詞を英語のまま読む方法

洋楽の歌詞を英語のまま読んで味わってみませんか?

というのも「英語で読むからかっこいい」というフレーズも多いですし、また歌詞は普通の文章と違って翻訳者の解釈に頼る部分がどうしても大きいため、原曲の歌詞と和訳された歌詞はまた別の作品と考えた方が良いです。

そこで、辞書を引かなくてはいけないレベルの単語だけ以下にピックアップしました。
これで辞書を引く手間なしに歌詞を読めます

SpotifyやAppleMusic,Youtubeなど愛用のアプリで歌詞を見ながらぜひトライしてみてください!

  • 0:35 quick hand 「すぐに銃を打てる」*ここでの解釈
  • 0:37 look around 「見回す」
  • 0:42 rolled cigarette「巻きタバコ」
  • 0:45 hanging out「垂れる」
  • 0:50 six shooter gun「6連式の銃」
  • 0:58 know what「使い方」*ここでの解釈
  • 1:10 out run my gun 「銃から逃げる」
  • 1:18 bullet「弾丸」
  • 1:52 the slight of 「小さな」*ここでの解釈
  • 1:57 reason「考え込む」
  • 2:01 must have lost ~「~を失っていたはず」

【英語力アップ】英語学習に使えるPumped Up Kicksについての記事3選

Reading Writing

曲に関連した、リーディングの学習に役立つ英語記事を3本ご紹介します。
これまでに紹介した内容もこちらの情報を参考にしています。
記事内容の簡単な概要もつけています。

  1. NME – Foster The People are “seriously thinking of retiring” ‘Pumped Up Kicks’ over controversial lyrics 【1800文字】
    「この曲を永久にセットリストから外すか悩んでいる」という彼らのインタビュー記事。複雑な思いが語られています。
  2. SongMeanings+fact –Meaning of “Pumped Up Kicks” by Foster the People 【1800文字】
    この曲についての概要が最もコンパクトにまとまっている記事です。
  3. Song Facts- Pumped Up Kicks by Foster the People【6400文字】
    この曲の生まれた経緯、曲名の由来、歌詞に込められた意図、チャート履歴など、15のパートに分かれてこの曲に関して総合的な情報が書かれた記事。

記事内容の要約を英語で書き起こしてみれば、Writingの練習にもなります!

このブログでは、この曲以外の様々な曲についても順次紹介してます。
ぜひ他の記事も見ていただけると嬉しいです!

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ケイタム
1990年2月生まれ みずがめ座 経歴:早稲田大学→音響系EC会社の海外調達部署→Web広告代理店にて広告運用 趣味:音楽、競馬、読書、カメラ、アウトドア、ラーメン屋めぐり 好きなアーティスト:スピッツ/King Gnu/サザンオールスターズ/Fishmans/きゃりーぱみゅぱみゅ/The Beatles/Jamiroquai/Two Door Cinema Club/Oasis/Friendly Fires/Foster the People/Grouplove/ワインレッドの心 好きな馬:キセキ